スプーンビル
スプーンビルとジャークベイトの違いを聞かれた。
解かっている人だとルアー自体が違うし、スプーンビルでもジャークすればジャークベイトだと思うだろう。
スプーンビルというのはスプーンの様に大きなリップが装着されたミノーの事を指す。
これをグリグリっと巻いて止めてを繰り返して使うというのがオーソドックスな使い方である。
何もない中層に誘い出すジャークベイトとの違いは、カバーがあるような場所を攻める時に用いるという点だ。
ジャークベイトはバスに寄らせる感じで、スプーンビルミノーはバスに寄っていくといった感じである。
最もよく使われるのがウイードエリア。
自分の場合は最近ウイードがあるような場所へあまり行かないので使用頻度は減ってしまったが、山中湖なんかへ行っている時は春に使っていた。
スプーンビルといえばレーベルのスプーンビルが有名だが、その後色々なものが発売され、現段階で自分の場合この使用方法ならキラービルが最も信頼を置いている。
ロッドのストロークで引いてグリグリっと潜らせて止めてを繰り返すという釣り方で、ポンピングのような反復動作ということでポンプリトリーブと言われたりもしている。
このスプーンビルの釣りが日本に伝わってのはかれこれ35年くらい前の事だ。
その35年前というのは自分が高校生の時で、その時にラリーニクソンが初めて来日して琵琶湖で釣りをした。
その時の釣りの模様はザフィッシングで放映された。
ラリーニクソンが来日するよりも前に来日したローランドマーチンの釣りも衝撃的であったが、ラリーニクソンの来日時の釣りもかなり衝撃的であった。
彼らの来日は日本のバスフィッシングに大きな影響を与えたのは紛れもない事実だ。
ラリーニクソンが来日したは35年ぐらい前の3月くらいのまだ寒い時期であった。
当時日本の3月の釣り方は、まだ水温が低いからボトムでバスはジッとしているからジグなどでカバーを狙ってゆっくりと動かして釣るというのが、本にも記されていた基本的な釣り方であった。
そんなこともあり誰もがそのような釣りが正解だと思っていた。
しかし、ラリーニクソンは水温は表層付近から温まるからバスは中層に浮いているので、中層を釣るルアーがいいと言い放ったのだ。
そして彼がその時に使っていたのがレーベルの大きなリップを備えたサスペンドするスプーンビルミノーであった。
これをシングルグリップのロッドに8lb.のナイロンラインのタックルでキャストし始めた。
そしてこのミノーを引くのに用いていたのがポンプリトリーブ。
9時から12時ぐらいまでの位置までゆっくりとロッドを立ててミノーを潜らせ、12時から9時までロッドを戻しながらリールを巻いてラインを軽く緩んだテンションの状態を保ちルアーがポーズした状態を保たせつつバイトを感じ取っていた。
どうってことないような単純な作業であったが、一緒に釣りしていた日本人アングラーとは雲泥の差であることは一目瞭然であった。
でもその当時には何が違うのかがよく解らずVHSのテープが切れるまで何度も見返してラリーニクソンの釣りを見た。
今では当たり前のことだが、その当時はぶったまげる程驚いた。
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