For FAT IKA
元祖バックスライドといえばファットイカ。
ファットイカと言えば長尾との思い出が詰まったワームである。
マグナム長尾がまだスミスの営業だった頃にこのファットイカは発売された。
長尾が初めてこれを持ってきた時に「これどう思います?」と聞いてきた。
正直使い道が思い浮かばず言葉に詰まった。
そしてこのファットイカで凄い釣れる釣り方を見付けようということになり、2人で色々なフィールドに行って色々なリグを試してみた。
そして何回目かの釣行時に小貝川で生み出した今のバックスライドとなる逆さ付けにしたノーシンカーが炸裂した。
2人でこれはヤバいとかなり興奮したけど、冷静になってもっと違うフィールドでも試してみようということになった。
それから未だワームが使えた当時の河口湖で、河口湖では大きすぎるかなぁ…と思いつつ使ってみたところ物凄い釣れて、バックスライドの良さは確信となった。
そして長尾はこれを武器に釣具店に営業し、徐々に販売数は増えていった。
噂は徐々に広まり関東以外の地方では所々で爆発的に売れていて、そして遂に霞水系で通称‘ひまわり’が流行ったことで人気商品となった。
その後、JBの遠賀川で開催されたクラシックで今江さんが使用したことで更に売れてスミスの在庫が一気に底をついたのを覚えている。
最期はトップウォーターイメージしかなかった長尾だが、長尾とはファットイカの思い出がたくさんある。
そんなファットイカを使っていて今までしっくりと来るロッドがないので、ちょうど長尾が亡くなった頃にコロナ渦ということで時間もあったので専用ロッドを作ってみようと思い立った。
スミスからもバックスライド用のロッドとしてTVC-68Mというロッドがある。
でもこのロッドはライトリグ用なので、ファットイカを操作するにはちょっと柔らかい。
ピッチングロッドくらいの硬さよりも若干柔らかくて、ファーストテーパーようなの操作性を兼ね備えていて、フッキング時にはロッド全体がパラボリック状にしなって…といった感じで、求めるものを挙げてみるとかなりあった。
これらを全て満たしてくれるブランクを探しては、ガイドのサイズや位置を細かく設定していった。
グリップシートも種類から自分で決めて、全て自分の手で組み上げ仕上げてみた。
これに費やした金額も半端ない。
でもこれぞファットイカ専用ロッドと断言できるものが完成した。
これを持ってまた長尾とファットイカで釣りに行っていたら、あの頃の話で盛り上がっただろう。
長尾に見せたかった。。。
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